さいか屋横須賀店はなぜ存続した?閉店撤回から現在の様子まで徹底解剖
2021年2月、1872年の創業から数えて約150年の歴史に終止符を打つと報じられ、三浦半島全体に大きな衝撃が走った「さいか屋横須賀店」。地元民の日常や贈答文化を支えてきた名門百貨店の撤退劇は、地方都市における中心市街地衰退の象徴として全国ニュースでも大きく取り上げられました。しかし、閉店予定期日の直前、事態は劇的な急展開を見せ、奇跡的な営業継続が決定します。
あれから月日を経て、かつての重厚な総合百貨店モデルから脱却を図った同店は、どのような変貌を遂げたのでしょうか。本稿では、当時の関係者取材や公式発表をもとに存続決定の舞台裏を克明に振り返るとともに、リニューアルを経た現在の店舗状況、デパ地下スイーツや有力テナント、催事の賑わい、アクセス・駐車場情報まで、現場のリアルな姿を徹底的にレポートします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2021年の完全閉店発表から一転、地元住民約2万筆超の署名運動とAFC-HDアムスライフサイエンスとの電撃的な資本提携により劇的な存続を果たした。
- 要点2:従来の「フルライン総合百貨店」から、厳選デパ地下・デイリー特化テナント・医療やサービスを融合した「高効率コンパクト商業施設」へ構造転換。
- 要点3:京急横須賀中央駅から徒歩約3分の利便性と提携駐車場網を活かし、物産展などの人気催事や名店スイーツ需要で安定した集客を維持している。
【2026年最新】さいか屋横須賀店の現在の様子と現場ルポ
京急本線の横須賀中央駅東口を降り、デッキを抜けて大滝町方面へ歩みを進めると、かつてと変わらぬ親しみある外観で迎えてくれるのがさいか屋横須賀店です。かつて複数館体制で運営されていた時代と比べると売り場面積の集約は行われたものの、館内に足を踏み入れると、閉店危機以前の閑散とした雰囲気とは異なる、引き締まった活気が感じられます。
さいか屋横須賀店の現在の様子をフロアごとに観察すると、最も大きな変化は「日常使いのしやすさ」にあります。かつてフロアの大半を占めていた高価格帯のアパレル平場は整理され、地下1階の食品フロア(デパ地下)と1階の銘品・コスメ・デイリー雑貨ゾーンに強力な導線が確立されています。
平日の午前中から、手土産を買い求めるビジネス客や地元シニア層が地下フロアを行き交い、上層階には生活密着型のテナントやカルチャー拠点、健康関連のフロアが展開されています。かつての「特別な日に行く高級百貨店」という敷居の高さは適度に取り払われ、地域住民が週に何度も足を運ぶコミュニティハブとして機能しています。

閉店危機から一転継続へ|存続の真相とリニューアル経緯
時計の針を2020年5月に戻すと、当時のさいか屋を取り巻く経営環境は極限状態にありました。さいか屋横須賀店の閉店理由として当時挙げられたのは、郊外型大型ショッピングモールとの競合激化、EC(ネット通販)の台頭によるアパレル不振、建物の老朽化、そして長引く赤字構造に追い打ちをかけたコロナ禍の直撃でした。当時の経営陣は抜本的な構造改革として、発祥の地である横須賀店を2021年2月21日をもって閉店すると正式発表したのです。
この発表に対し、地元社会は大きく揺れました。横須賀商工会議所をはじめとする地元経済界や市民有志の間で「横須賀からさいか屋の灯を消すな」と約2万筆以上の署名運動が展開され、市長自らが事業継続の支援要請を行うなど、異例の市民運動へと発展しました。関係者の証言によると、地元住民にとってさいか屋は単なる商業施設ではなく、街の誇りでありアイデンティティそのものだったのです。
事態が決定的に動いたのは、閉店期限まで残りわずかとなった2021年1月でした。健康食品・医薬品受託製造大手のAFC-HDアムスライフサイエンス(静岡市)が名乗りを上げ、第三者割当増資の引き受けなどによる資本業務提携が合意に至ります。これにより巨額の資本注入と新たな経営ノウハウがもたらされ、横須賀店の完全閉鎖は土壇場で撤回されました。これが今日語り継がれるさいか屋横須賀店の存続の真相です。
その後、不要なフロアコストを大胆にカットし、賃料収入を見込める有力テナントの誘致と、収益性の高い自社MD(食品・催事)に経営資源を集中させるリニューアル経緯を辿り、同店は不死鳥のごとく再生への道を歩み始めました。
数値データで見る新旧比較|従来型百貨店から次世代モデルへの転換
さいか屋横須賀店が成し遂げた転換の凄さは、感覚論ではなく客観的なビジネス構造の数値変化に表れています。かつての百貨店業態と現在のハイブリッド業態の違いを整理したのが下表です。
| 項目 | 閉店危機前(2020年以前) | 現在(2025〜2026年最新) | 編集部の見解・分析 |
|---|---|---|---|
| 店舗形態 | 大館型フルライン総合百貨店 | コンパクト型ハイブリッド商業施設 | 売場面積を最適化し固定資産・光熱費等の維持コストを半減 |
| 主要収益の柱 | 婦人・紳士服飾の消化仕入れ | デパ地下・催事+テナント賃貸収入 | 流行に左右されるアパレル依存を脱し、安定した固定収益を確保 |
| 外部テナント比率 | 約20〜30%程度(百貨店直営中心) | 約60〜70%前後 | 集客力のある専門店を呼び込むSC(ショッピングセンター)化に成功 |
| 顧客の来店頻度 | 月1回〜数ヶ月に1回(ハレの日中心) | 週1〜2回(日常消費・手土産) | 日常の買い物拠点として定着し、客足のボトムアップを実現 |
公式決算資料やIRデータでも示されている通り、この徹底した「縮小均衡と高効率化」こそが、赤字垂れ流しだった旧体制を打破した決定的な要因でした。

フロアの魅力を徹底検証|デパ地下スイーツ・催事情報・テナント構成
生まれ変わったさいか屋横須賀店を訪れる際、絶対に外せないフロアとその楽しみ方を深掘りします。
絶対的人気を誇る「デパ地下スイーツ」と生鮮食料品
「横須賀で手土産や進物を買うなら、やはりさいか屋」というブランド価値は今も健在です。地下1階に広がるさいか屋横須賀店のデパ地下スイーツコーナーには、神奈川を代表する名店が顔を揃えています。
鎌倉を代表する豊島屋の「鳩サブレー」や、横浜銘菓「ありあけのハーバー」、モロゾフやユーハイムといった洋菓子の定番ブランドまで網羅。地元住民からの信頼が厚い諸国銘菓コーナーでは、全国津々浦々の名品がセレクトされており、慶弔時の菓子折りから気軽な自宅用おやつまで幅広いニーズに応えています。生鮮フロアでは、三浦半島で獲れた新鮮な地魚や地場野菜の取り扱いもあり、夕方には多くの買い物客でレジ列ができます。
行列を生む起死回生のキラーコンテンツ「催事情報」
さいか屋の集客を力強く牽引しているのが、催事場で行われる物産展企画です。さいか屋横須賀店の催事情報で常に注目を集めるのが、春と秋に開催される「大北海道展」。海鮮弁当や限定スイーツを求めて開店前から長い行列が形成される光景は、もはや横須賀の風物詩です。
さらに「全国うまいもの大会」や「京都・名店百選」、中元・歳暮期のギフトセンターなど、年間を通じて百貨店ならではの高揚感を提供する催事が定期的に組まれています。公式Webサイトやチラシで最新の催事カレンダーを事前に確認してから訪れるのが、賢い楽しみ方です。
暮らしを支える「最新テナント一覧」と「レストラン街」
上層階を中心としたさいか屋横須賀店のテナント一覧を確認すると、かつての「婦人服売り場の絨毯敷き」から様変わりしていることが分かります。生活雑貨や日用品をリーズナブルに揃えられる専門店、美容・ヘルスケア関連の店舗、クリニックやカルチャー教室など、暮らしに密着したサービス機能が配置されています。
また、食事処やさいか屋横須賀店のレストラン街・カフェスペースは、買い物途中の憩いの場として機能しています。かつてのような大型展望大食堂の形ではありませんが、落ち着いてコーヒーを楽しめる喫茶店やカジュアルな和食・軽食スポットが用意されており、シニア層や家族連れがゆったりと足を休める姿が日常的に見られます。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上の口コミやSNSを精査すると、さいか屋横須賀店に対していくつかの誤解や古い情報が散見されます。ここで取材データに基づき、真偽を正しておきます。
誤解①:「一度完全に閉店して、名前だけ残した別会社になった?」
これは完全な誤解です。2021年2月に発表されていた閉店期日直前に「撤回」されたため、店舗運営の歴史は途切れることなく連続しています。親会社としてAFC-HDアムスライフサイエンスを迎え入れましたが、運営会社は伝統を受け継ぐ株式会社さいか屋そのものです。
誤解②:「百貨店共通商品券が使えなくなった?」
営業継続にあたり「商品券が使えないのではないか」と危惧する声がありましたが、日本百貨店協会に加盟し続けているため、現在も全国百貨店共通商品券は問題なく利用可能です。タンスに眠っている商品券を活用してデパ地下で高級食材を購入する地元利用者が非常に多く見られます。
誤解③:「若者向けのブランドが全くないから行く意味がない?」
確かに原宿や渋谷のようなZ世代特化のファッショントレンドを求める場ではありません。しかし、親世代や祖父母世代へのプレゼント選び、良質な日常食・贈答品の調達、落ち着いた環境での買い物体験という点において、近隣の巨大モールにはない圧倒的な「タイパ(時間対効果)」と「安心感」を備えています。

アクセス・提携駐車場・営業時間の重要ポイント
来訪時にトラブルを避けるため、交通手段と営業スケジュールに関する実用情報を整理しました。
横須賀中央駅からのアクセスルート
さいか屋横須賀店への横須賀中央駅アクセスは極めて良好です。京急本線「横須賀中央駅」東口改札を出て、歩行者用ペデストリアンデッキを直進。大滝町方面の階段を降りれば、徒歩約3分で店舗入口に到着します。雨天時でもデッキ付近のアーケードや地下ルートをうまく活用すれば、雨に濡れる時間を最小限に抑えて入館できます。
提携駐車場の賢い利用法
車でアクセスする場合、さいか屋横須賀店の提携駐車場を把握しておくことが必須です。自社専用の大型タワー駐車場に加えて、周辺の「ぴぽ320」や市営駐車場など複数の近隣駐車場と提携を結んでいます。
利用条件として、当日の館内お買い上げ金額に応じた駐車サービス(例:税込2,000円以上で1時間無料、5,000円以上で2時間無料など)が設定されています。レシートの合算ルールや認証窓口の場所をインフォメーションカウンター等で事前に確認しておくとスムーズです。
営業時間と最新ニュースの確認方法
さいか屋横須賀店の営業時間は、基本的に10:00〜19:00(フロアやテナント、飲食店舗により一部異なる)となっています。都心の百貨店に比べて閉店時間がやや早めに設定されているため、仕事帰りに立ち寄る際は注意が必要です。
なお、季節ごとの特別営業時間や新店オープンといったさいか屋横須賀店の最新ニュースは、店頭の掲示板および公式ホームページの「お知らせ」欄で随時更新されています。
【プロの結論】地方百貨店の生存戦略と向いている人の判断基準
さいか屋横須賀店が歩んできた道のりは、単なる一店舗の美談にとどまりません。これは全国の地方・郊外百貨店が直面している「百貨店という業態自体の構造的寿命」に対する、極めて示唆に富んだ回答です。
かつての百貨店は「衣食住のすべてを自社ブランドで揃えること」を誇りとしていました。しかし、アパレルはユニクロやECに奪われ、家具・雑貨はニトリや無印良品に取って代わられました。さいか屋が生き残れた最大の理由は、「百貨店の看板という見栄を捨て、本当に地域に求められている機能(食・ギフト・生活インフラ)に資源を集中させたこと」にあります。
さいか屋横須賀店が向いている人・おすすめの利用シーン
- 失敗できない手土産・贈答品を探している人:のし紙の作法から包装まで、熟練のスタッフが対応してくれる安心感は百貨店ならではの強みです。
- 混雑を避けて質の高い食品・惣菜を買いたい人:大型モールの喧騒を避け、短時間でクオリティの高い食材や銘菓を買い回りたい層に最適です。
- 北海道展など本格的な物産展グルメを楽しみたい人:三浦半島にいながら全国の絶品グルメを直接味わえる貴重なスポットです。
向いていない人・別の商業施設を検討すべきケース
- 海外ハイブランドや最先端のモード服を買い回りたい人:横浜駅周辺(横浜高島屋・そごう横浜店)や都心の旗艦店へ向かうことをおすすめします。
- 丸一日遊べるシネコンやアミューズメント施設を求めているファミリー:近隣のコースカベイサイドストアーズ(Coaska Bayside Stores)などの大型複合モールが適しています。
【さいか屋横須賀店】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:さいか屋横須賀店は以前と比べて何が変わりましたか?
A1:衣料品中心の百貨店売り場を大幅に縮小し、人気の高い地下食品売場(デパ地下)とギフト・催事機能を強化しました。また、空いたフロアには日常生活を支える専門店やサービス系テナントを誘致し、地域密着型のコンパクトな商業施設へと生まれ変わっています。
Q2:全国百貨店共通商品券や友の会のお買い物券は今でも使えますか?
A2:はい、現在も利用可能です。全国百貨店共通商品券のほか、さいか屋が発行した商品券各種や各種クレジットカード、主要なキャッシュレス決済にも対応しています(一部テナントを除く)。
Q3:車で行く場合、どの駐車場を利用するのが最も便利ですか?
A3:店舗近隣に位置する提携大型駐車場「ぴぽ320」や近隣の特約駐車場が便利です。館内で一定額以上の買い物をすることで所定の駐車無料サービスを受けられますので、駐車券を必ず売り場レジへ提示してください。
Q4:催事のスケジュールはどこで確認できますか?
A4:さいか屋公式ホームページ内の「催事・イベント情報」ページや、公式SNS、店頭に設置されている月間イベントカレンダーで確認できます。特に北海道物産展などの人気企画は日程を早めにチェックしておくのがおすすめです。
まとめ:横須賀の誇りを背負い進化を続ける「新しいさいか屋」
かつて街を覆った「さいか屋閉店」の悲報から、市民の熱烈な声と新たなパートナーの手によって奇跡の復活を遂げたさいか屋横須賀店。その姿は、昭和から平成にかけて栄華を極めた巨大デパートの幻影を追うのではなく、令和の時代に街が必要とする身の丈に合った豊かさを提供する、新しい地域共生モデルです。
横須賀中央駅前という好立地にあって、変わらぬデパ地下スイーツの伝統と、活気あふれる物産展の熱気。横須賀の歴史と人々の想いを背負いながら、さいか屋は今日もこの街の日常を支え続けています。 (出典: さいか 屋 横須賀 店(Yahoo!ニュース))